君が教えてくれたこと

知らなかったわけじゃないんだ
でも僕はそれを忘れてしまっていたから

ものであれ、ひとであれ
何かを大切にするってことは
具体的な「行為」ではなく「姿勢」なんだってこと

行為にまみれてしまっていた僕は
そんな大切なことを忘れていたんだね
なにかしてあげられるってことに
僕は酔ってしまっていたのかもしれない

君は僕が僕らしくあることを何より望むから
向き合う僕はある意味逃げ場を失ってしまうけれど
同時に逃げることの意味もなくなってしまうからね

君がいつも変わらぬ姿勢でいてくれたから
たぶん僕は戻ってこれた
君がいつも変わらぬ姿勢でいてくれること
それが今の僕に安心とすこしの勇気をくれるよ

君であり続けることを不安がる君は
僕を経由してゆるやかに君に還り
君を経由して僕は僕らしく澄まされるから

君を見ていたい
ゆるやかな流れを感じていたい

ここにいるよ

気づいてしまうひとへ

僕は「ここにいるよ」って言いながら
たぶん「ここ」がどこなのか知らないんだ

不確定を不確定として捉えるために
発散してみせるのがたぶん僕の役割だから

交わした「ありがとう」の数だけ僕は僕に還り
僕はいつも僕の欠片を認識してしまうけれど
戻らないことを嘆いているんじゃないんだよ

それは誰のせいでもなく
まだ僕が充分に僕でないということ
発散しきれない僕を僕は嘆いているの

それでも触れ合えるから
不確定は不安定を抱えて生まれるけれど不安定とは違うから
不確定たちは不安定を埋めるために互いに呼び合っているんだ

僕が僕に還るように
僕はあなたをあなたに還しましょう

「ここにいるよ」という言葉を呪文にして
鱗粉のように拡散する指向性のない僕の魔法を
まだ見ぬあなたにさえ僕は唱えてみせるから

行き場のない思いそのもののように
不安さえ隠さないように
僕は僕を無防備に漂わせておくから

呼び合えるあなたのひとかけらを僕にください

爪あと

傷の治りが思ったより早いのは
そこに何かしらの意識が集中しているからなのかい?

僕よ、それを早く消してしまいたいの?
傷よ、それとも君が消えてしまいたがっているの?
声よ、君はいつまで枯れているつもりだい?
涙よ、君はいつになったら流れてくれるのかな?

dear my precious

いつかあなたのこと
眩しすぎるかもって言ったの覚えてる?
その感覚は今も変わらなくて
僕はどこかで距離を測りかねているけれど

目を開けたらあなたはそこにいて
あまりにも自然に僕に笑いかけたから

真に受けてもらえないと思ったけど
ひとりじめしてもいいよって僕は言ったんだ

あなたが僕をそう喩えたのはたぶん
あなたが今でもお姫様だからだよね
特別扱いしてほしいってなんとなくわかるんだ
僕はそれに応えてもいいのかな

それでも、あなたがとっても女の子だから
僕はやっぱり距離を測りかねてしまうけれど

ほんとにひとりじめしてくれるなら
僕はあなたに約束をあげるよ
僕はあなたの前からいなくならない
絶対いなくならないから

約束なんかくれなくても
いなくなったりするつもりないけどねっ

ほんとにありがと
これからもよろしくね