マッチ売り

去っていくときだけ
どうしてみんなそんなに優しいの?

傷つけたくないから
大切にできないから

そう言ってみんないなくなるんだ

欲しいものは手に入ったの?
もう手に負えないから僕はいらないんだよね?

わがままなのかなぁ
僕はたったひとつしか望んでいないのに
いつだって持て余されてしまうから

行き場のなくなった言葉が
受け手のなくなった気持ちが
いつかきっと僕を壊すんだ

愛はいりませんか?
愛はいかがですか?

降りしきる雪の中をただ
裸足のままあてもなく歩いてる

愛はいりませんか?
愛はいかがですか?

寂しさに耐えかねて売り物のマッチを灯したら
そこに何が見えるというの?

愛はいりませんか?
愛はいかがですか?

憐れみでもなんでもいい
いっそ売られてでも誰かのものになれたらいいのに

愛はいりませんか?
愛はいかがですか?

ねぇ、お願いだから
もう僕をひとりにしないで

強さ

強さっていったいなんなんだろう

どうして僕は僕が言ったように
ただここにいることができないんだろう

正直、戸惑ってはいるんだ
失いたくないって気持ちがね
こんなに強くなったのは初めてなんだよ

それが言い訳にしかならないのは知ってる
だけどこれだけはわかっててね
こんな気持ち初めてなんだ
初めてなんだよ

僕は優しくなんかない
ぜんぜん強くもないよ

だから願うんだ
だから言葉に載せるんだ
僕自身に刻み付けるために

僕の言葉たちよ
お願いだから僕に力を貸して
僕の思いたちよ
その思いの強さで僕を叩きのめしてほしい
僕の示した僕の形に僕を切り刻んでほしい

涙なんていくら流れても構わない
もっと痛くなったっていい

強くなりたい
強くなりたいんだ

こわがり

人一倍こわがりな君のために
僕は気持ちを送っていたの

こわがらなくていいんだよ
こわがらなくていいからね

それが僕にできるせいいっぱいのことだったから

でもね、この距離からなら
僕は言えると思うんだ

こわがっててもいいんだよ
こわがっててもいいからね

震える君を僕が抱きしめてあげる

ちゃんとつかまえてるよ
ずっといっしょだよ

離れて眠る君へ

震えるこの胸の鼓動を君は叱るのかな
でもね、君を思うと胸の中忙しくなるの

胸の中のいろんな僕がね
普段はなんだか別々のこと主張するくせにさ
君のこととなると口を揃えてね
君のことがだいすきだって大騒ぎなんだよ

今だって胸が痛いくらいにね
君のこと思ってるから

いつもいっしょだよね?
思いはいつもそばにあるよ

ねぇ、感じてる?
ずっと触れているからね
そっと抱きしめてるからね

揺れる息使いを
胸の震えを重ね合わせるように
いっしょに眠ろ?

おやすみ
だいすきだよ

流れ星

流れ星の流れに水を差すことなんてないさ
流れたいように流れてくれればいい

僕らの願いだってね
きっと願いたいように願えばいいの

星に願うのは星が叶えてくれるからではなくて
その一途さを星と共有するためだよ

揺れる思いは空気と擦れ合って
あふれそうな気持ちといっしょに光を放つから
かすかな光でも流れてなんてしまわないように
たいせつにしていきたいよね

あたたかい光を湛えていたいの
君に見えるように

わがまま

お願いがあるの
いっしょにいたいと思ったら
甘えたいと思ったら

僕のこと思い浮かべる君に
ほんの少しでも時間があるときは

呼んでほしいの
なにも考えずに呼んでほしい

わがままを言うのはわがままじゃないよ
わがままはね、答えを期待することなの

ダメなときはダメって言うから
ちゃんと約束するから

君のわがままを僕はわがままにはしないから

呼んでほしいの
なにも考えずに呼んでほしい

ステキ

君に出会ってから
「ステキ」の言葉の意味、拡がったよ

ひとつの言葉のなかには世界があってね
思いを載せた言葉は、行き交いながらその世界を拡げているの

君と交わした言葉を僕は抱きしめてるんだ
それを君といっしょに眺めるためにね

映し出すよ
君に見えるように
君がいつも言うステキな景色のように

言葉を
そこに載せられた思いを
嬉しさも、溢れ出しそうな幸せも
悲しみも、痛みも、嘆きさえも

君といっしょにゆるやかに眺めていたいの
いっしょに感じたいんだ

そばにいてもいいかな?
離れたくないんだ

よく言われること

「誰よりもあなたのことを思ってる
世界中の誰よりもあなたを愛してるから」

そう言われる度に僕は思ってた
「それがどうしたの?」って
心の中でいつも叫んでたんだ

そこに僕はいないから

そこにいる僕のようなものはいったい誰なの?
「お前の居場所なんてないんだ」って
そこで僕を嘲笑ってるのは

「これから先もね
わたし以上にあなたのこと好きになるひとなんていない」

違うよ
あなたは僕を選んだんじゃない
あなたは思いを固定化することを選んだの

僕はその場所においてしか存在できない
僕のようなものに固定化されて
そして僕は僕に押し出されるように
あなたのなかから消えてしまうんだ

僕はここにいるのに
あなたは僕を思い出にするの?

そこに打ちつけたいなら打ちつけられてあげたのに
狙いの定まらないあなたのために体中を釘だらけにして
手も、足も、視線も、思いも、自由も

滴る血の記憶が萎えて
干からびて忘れられるとしても
僕はあなたに打ちつけられたのに

edge

心配したいわけじゃない
頼られたいわけでもないんだ

どちらからもたれかかるでもなく
線と線で支えあうカードのように
ただ寄り添っていたいだけなんだ

ささやかなる安定の
いつもささやかならんことを