ずっと

それは続いている時間だから
つかず離れずいつも君のそばにあるから

ただ感じるだけでいいんだよ

それは永遠と呼ばれるもの
少しばかり気難しくて
それでいて寂しがり屋で

だから彼らはひとを離れないけれど
掴み取ろうとすると逃げてしまう

それは絶えず刻む振動だから
震え続けることが存在そのものだから

抑えつけようとしちゃいけないんだ

僕らの手に残るのはいつも
永遠から零れ落ちた刹那
ただの断片に見えてしまうけれど

それらひとつひとつを繋ぎあわせたら
きっと感じられると思うんだ

その刹那を零してしまった
君の永遠が抱えている思い

そうだよ
君の永遠はそこにあるんだから
ちゃんと感じてあげなくちゃね

ねぇ
君の「ずっと」と僕の「ずっと」は
仲良しになれると思う?

君の「ずっと」と僕の「ずっと」が
ずっと手を繋いでいられたらいいよね

だってさ
そしたらいつでも言えるもの

「君の永遠はちゃんとそこにあるよ」

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fault

なんとなく
髪を指に巻きつけながら
あなたを思ってた

でも髪はやがて指を離れて
弾むようにもとの形に戻っていくから
それだけで泣きそうになる

だけど

あなたにはわからないでしょう
この耳の奥でずっと
何かが切れる音がしてる

きっとわたしの胸のなかでは
気持ちの上半分と下半分が
いまでも少しずつずれているのよ

わたしの感情を伝えていた繊維の束が
次々と引き裂かれてく

気持ちと気持ちを繋ぐものが
一本ずつ切れていくの

毎秒のように痛みは続くんだから
泣けるわけなんてないのよ

そうよ

あなたにはわからないでしょう
この耳の奥でずっと
水の滴る音がしてる

伝わる思いと伝わらない思い
確実になっていく断層面が
いまでも少しずつずれていくから

引き裂かれていく繊維のひとつひとつが
絶え間なく涙を流してる

伝えたかった気持ちを抱いたまま
切れていくしかないんだから

わたしはそれを見守らなくちゃいけない
泣けるわけなんてないのよ

だけど

あなたにはわからないでしょう
この耳を塞いでみたって
何も変わりはしないんだから

わたしだって泣きたいわよ
簡単に言わないでくれる?

デリミタ

これといった区切りもなく
滑らかに続く日常

それは確かに現実だけど
冗長さは不安を呼び起こすものだから

望まなくても流れてしまう時間が
望むことさえ忘れさせてしまうようで

君はポケットの定規を取り出して
連続をなぞるように押し当ててみても

その間隔が思っていたより不確かで
君はどんどん不安になってしまうから

僕がデリミタ
君の冗長に打ち込む楔

君のために調整された等間隔を
きっとその手に届かせるから

僕がデリミタ
感情を薄めた句読点で

粘度を増していく君の不安に
できる限りの流動性をあげるから

だから君は
そのままでいいと思うよ

だから今は
ただそこで休んでいてね

重なる空白

そうだね
何も言わなくていいよ

あれこれ訊いてまで
安心しようなんて思わない

だって君はこんなにまっすぐに
僕を見つめてくれるのだから

まっすぐな君の視線に
含まれている君のすべてを

包み込むように
こぼさないように

僕は受け止めたいと思う

君の視線に託された
開け放たれたままの君を

包み込むように
こぼさないように

そっと抱きしめていたいから

僕もできるだけまっすぐに
君を見つめかえしましょう

そして僕らは
きっと僕らは

満たされあえる
重なる空白になる

いっしょ

デートしよ
いっしょに歩こ

いつもの景色に立ちどまって
きれいだねぇっていっしょに笑ったり

よい色のマグカップとか見つけて
かわいいねぇっていっしょに笑ったり

デートしよ
いっしょに歩こ

お気に入りのCDとかおしえてもらって
それいいかもっていっしょに笑ったり

ふと見上げた空がすこしまぶしくて
なんだか照れくさくていっしょに笑ったり

デートしよ
いっしょに歩こ

てか

おなかすいた?
なんか食べとく?

選んだメニューがたまたまおんなじで
なんだかなぁっていっしょに笑ったり

ちょっととっかえっこしたりして
おいしいねぇっていっしょに笑ったり

ねぇ
思うんだけどさぁ

いつも僕よりもすこし元気な
君といっしょなら

となりにいつも
君の視線があったらね

近い未来や遠い未来が
いつもよりきっと

もっと自然な感じで
すーっと感じられるような
そんな気がしてるんだ

だから

デートしよ
いっしょに歩こ

空の色がちょっとずつ変わっていくね
きれいだねぇっていっしょに笑いながら

ありがとねって思っていたら
なんでだかものすごく笑われたけど

ねぇ

デートしよ
いっしょに歩こ

もうちょっとだけ
いっしょに歩こーよ

コーヒーブレイク

やがて降り注ぐ広がる香りは
流れるお気に入りの音楽のように

香るコーヒーの香りがきっと
あなたとあなたの日常を
ほどよく隔絶してくれるように

香るコーヒーの香りは僕の
空回りしがちな憂鬱を
ほどよく日常化してくれるから

ね、つながっているんじゃない?

澄まされた香りがフィルターになって
僕らの感じかたさえ澄ませてくれるから

香るコーヒーの香りはきっと
溶け出した僕やあなたの成分を
そっと運んでくれると思うんだ

やがて降り注ぐ広がる言葉が
流れるお気に入りの音楽のように

あなたとともにありますように