brimful

空にならないように
コップに注ぎ足した感情

きらきらと踊る泡沫が
まるで他人事のようで

耳を塞ぐように
なみなみと注ぐから

溢れる思いはただ
とうとうとテーブルを伝う

それでも僕はまだ
コップの中にいますか

それとももうとっくに
カーペットに染み込んでいますか

雨の休日

どんなに寄り添っても
きっと肩は濡れる

君は僕の傘の差しかたが
下手なんだって笑って

傘を僕のほうへと
ぐっと押してくるから

僕は気づかれないように
ちょっとずつ傘を戻すんだ

たぶん傍から見たら
少し不器用に見えるくらいに

ふたり寄り添って歩く
そんな雨の休日

僕の傘を持つ手に
君がそっと手を添える

ちょっと懐かしいような
この温度だけあればいいよ

雨がどれだけ強く
冷たく打ちつけたとしても

この温度と君を僕は
ずっと大切にしたいんだ

どんなに寄り添っても
きっと肩は濡れる

僕の傘の差しかたが
だいぶ下手なのは認めるけど

それならせめて同じだけ
肩を濡らしながら

温もりを切らさないように
いっしょに歩いていければいいよ

不器用に見えるくらいで
たぶんちょうどいいんだ

ふたり寄り添って歩く
そんな雨の休日

luciferase

君は熱を帯びる
気持ちを冷ますように

冷たい水の
緩やかな流れのなかに

君を浸し
君を抑えていた

僕はその微かな
熱量に君を

見つけたから君に
僕の波長をあげよう

君は濁りそうな
気持ちを澄ますように

清らな水の
湧き出る場所を探し

君を濯ぎ
君を保っていた

僕は君が湛える
透明度に君を

見つけたから君に
僕の波長をあげよう

君のなかにある
君らしさはもう

じゅうぶんに君らしく
君を表現できるはずさ

君に眠る君の色を
僕も見てみたいから

君が大切にしてきた
僕の大切な君を

そっと揺り起こすように
僕の波長をあげよう