zipper

背中のジッパーを開けて
君を取り出そう

絵に描いたような空気
ぬるま湯の世界で

君がふやけてしまうまで
そばにいよう

時間ごと壁に打ちつけた
時計が動き出すまで

背中のジッパーを開けて
君を連れ出そう

絵に描いたような空
君の望んだ世界が

君を手放してくれるまで
そばにいよう

壁に打ちつけた時間なんて
ほんとはなかったんだ

つないだこの手以外は
ぜんぶ嘘さ

全てが真実だったら
この手が嘘さ

ひっぱり出されてしまえば
簡単なことなんだ

大切に握りしめてたものも
否定して捨ててしまったものも

手放してしまえば
自分と同じように

時間とか空間とかは度外視で
ただ漂っているだけなんだ

ぜんぶ手放してしまえばいい
いつの間にかその手にある

おそらく「なにもない」という名の
かけがえのない存在しないものを

君がその手にするまで
そばにいよう

君が君のかたちになるまで
手をつないでいよう