true bypass

ずっと前から
ある種の信号が君の中を
無抵抗に通過するって
僕は知ってたけど

それは僕にとって
とても重要な信号だったから
僕はそれをただ通過させることも
増幅することもできなかった

減衰するだけの僕は
もう嫌だったんだ

それがたぶんあの時
うまく言えなかったこと

だから僕は
僕の回路を再設計して
僕と君を繋ぐはずだった
とっておきの配線材で
僕を再配線してみたんだ

結果だって判ってた
この手の信号は下手にループさせると
確実に発振するものだから

僕の中に起こる
強烈なハウリング
耳を塞ぐこともできない
行き場を失ったオーバードライブ

だいたいそんな話さ
いつもの恣意犯的閉塞

それでもそうするしかなかったって
性質の悪いモルモット気取りで
無策に回路が焼き切れるのを待ってただけ

それだけだからさ
ばかちんでいいよ

焼け残った部品で
元の回路の動作を再現したら
あとはいつも通りだから

たぶんそのうち
いつものように「ごめんね」って
言えるんじゃないかと思う

そしたら
あとはいつも通りだから