glance plus

視界を平坦に 少しだけ出っ張ったところを見つけて そっと撫でる あんまり撫でるとそれさえも 平坦に埋もれてしまうから 気のないふりをしながら そっと撫でる 色彩を平坦に 少しだけ色づいたところを見つけて そっと撫でる あ […]

therefrom

平坦で見通しのいい道は なんだか不安になるんだ 何時間か歩いただけじゃ なにも変わらないような気がするから 曲がりくねった険しい道は きっと挫けそうになるんだ 山がそこにあるってだけで 登りたいなんて思うやつは限られてる […]

crinkle

吹く風に もう秋の匂い 耳の奥で 懐かしい音 そう 君のお気に入りだった すこし紫がかった こんな夕焼けの色の 絞りスカートの 衣擦れの音

fluorite

君らしさという その色彩を 割れないように そっとあたためて 君のなかに眠る 君を確かめよう 君がまだ知らない ちっちゃな君が 君のなかには まだいっぱいいてね ときどき見上げたり またうつむいたりしながら 君になりたく […]

exodus

君はオアシスなんて ないんだって言った もし見えたとしたら それは蜃気楼だって だからこの左手には たったひとつの水筒だけ この生ぬるい水ならちゃんと 現実とつながってるから そして右手には君の ひどく乾いた手をとって […]

soda float

現実が自分の 意思とは無関係に 手の上を滑るのを 君はずっと嘆いていて ただ無造作に 時間軸上に並ぶ 役割を持った自分が きっと他人事のようで 忘れられた 飲みかけのソーダ水の 炭酸が抜けるように 宙を舞う思いだけは 押 […]

corundum

透き通る 心に傷がつくことを 君は怖がって 降り注ぐ光や 吹きつける風を 遠ざけてしまった 温度差は 心を曇らせたり ときには欠けさせたりするけど それは心が どうありたいかを知るための 大切な手がかり 透明度を 失った […]

micelle

君がまっすぐに 僕を見つめている ほんとのあたしを 見つけてくださいって 見つめかえす僕が 何か魔法でも使って なんとかしてくれるって 君は信じている 僕はそんな便利な 魔法なんて使えないけど 君のためだったら 魔法をか […]

ふたつめの

うたた寝の耳の奥に 残る雫の音は君の きっと君の 涙なんだろう ふたつめの雫をつくる 震えるその下弦は君の きっと君の 逡巡なんだろう 手を伸ばせば僕を 濡らさぬよう気遣って きっと君は もっと惑うだろう 足りないのはた […]

chocolate shell

ちょっとビターに 君を包みましょう 君を包む 冷たさと堅苦しさを 中和するように 君を包みましょう 境目を 知覚できなくなるくらい ぴっしりと 君に張りついて 君の白さをもっと 引き立ててあげましょう 君の甘さをもっと […]